2019-11-21 Thu
2019年11月3日(日)炭焼き文化が造り上げた独特の森と湿原

秋田探訪二日目は、鳥海山の北側の懐に広がる獅子ヶ鼻湿原。
この森は特異な形のブナで形成されている。
「中島台レクレーションの森」という呼称で
秋田県と、にかほ市によって管理されている。
鳥海高原から濃霧の県道58号線を下って駐車場に車を入れた。
我々が到着した時に大型観光バスが一台出ていったので、
少し前まで団体がいたようだ。


所用時間は3時間程度なので
トイレを済ませて管理棟に置いてあるステッキ(天然木の杖)を借りて歩きだす。

コースはしっかりと管理されており大方が木道の上を歩くようになっている。

奥に進むと森の空気が赤やオレンジに染まりだす。


木製の橋で赤川を渡り、奇怪な植生の森へと入っていく。


赤川と岩股川に挟まれたエリアが獅子ヶ鼻湿原と言われているみたいだが
ここは湿原というよりブナ林そのものだ。

奇妙な形のブナの大木が現れだした。

どうやったら、このような形に変化するのか?
後に理由を知るまでは首を傾げっぱなしだった。
オレンジの□の中になぜか「アンパンマン」がいる。

この森を形成した最大の理由がこれのようだ。

あがりこ大王
この幹の周りでNHKのカメラが番組制作ビデオを撮影していた。

元は一本のブナ。
江戸時代末期から昭和の時代まで続いていた炭焼きのために伐採した枝が、
芽を出し成長を続けたことが、この独特な樹形の理由だと言われている。


この幹には「犬」と「ねずみ」がいます。

こちらは「りす」がいます



あがりこ大王は脇道へそれているので分岐まで戻り
いよいよ湿原に入っていく。
「出つぼ」方向へ進む。出つぼとは伏流が湧きだす場所を言うようだ。



ここが出つぼ。
既に湿原の一角に入っている。
この湿原の特徴はブナ林の中に滾々と水が湧きだしているところだ。
普通、湿原と言われると開けた草地に池塘が広がる風景をイメージするが、
ここでは高木の森の中にいくつもの水線が流れる不思議な景観を見ることができる。


苔好きな私は、こういうものを見つけると近寄らずにはいられない。


やがて、湿原の湧き水が集められて水路となっているところへ出てきた。
恐ろしく透明で冷たい水が勢いよく流れていく。


この流れの中に、鳥海マリモという苔があるのだが
水量が多いのと流れが速いのとでどれが鳥海マリモかは確認できなかった。



こちらは「あがりこ女王」

この後、最初の分岐へ合流して、スタートへ戻った。

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